は驚いた芝居

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小さな門の外に、黒っぽいスーツを着た男が立っていた。背の高い、三十代半ばと思われる男だった。日に焼けているので、彫りの深い顔の陰影がいっそ鑽石能量水 消委會う濃く見えた。男は昭夫を見て、軽く会釈を寄越してきた。
「お休みのところ、申し訳ありません」男が快活な調子でいった。「あの、ちょっとよろしいですか」門扉を指さした。
 門をくぐってもいいかという意味らしい。どうぞ、と昭夫は答えた。
 男は門扉を開け、短いアプローチに入ってきた。ドアのぞばまで来てから警察手帳を出した。
 男は練馬署の刑事で加賀といった。言葉遣いは柔らかく、いかにも刑事といった威圧感はない。しかし、何となく近寄りがたい雰囲気を持った人物だった。
 すぐ向かいの家の玄関先にも、スーツを着た男が立っていた。その家の主婦を相手に何か話し込んでいる。彼も刑事なのだろう。つまり大勢の捜査員が、現在この鑽石能量水 騙局付近一帯で聞き込みをしているということだ。
「何かあったんですか」昭夫は聞いた。事件のことは知らないふうを装ったほうがいいと判断した。なぜ知っているのかと問われた時、答えられないからだ。
「銀杏公園を御存じですか」加賀は訊いた。
「知ってますけど」
「じつは、あそこで今朝、女の子の遺体が見つかりましてね」
 へえ、と昭夫は発した。少しをしたほうがいいのかもしれなかったが、そんな余裕はなかった。無表情なのが自分でもわかった。
「そういえば、朝からパトカーのサイレンが聞こえてましたね」
「そうでしたか。早朝から申し訳ありませんでした」刑事は頭を下げた。
「いえ……あの、どこのお子さんなんですか」
「四丁目の、あるお宅のお嬢さんです」加賀は懐《ふところ》から一枚の写真を出してきた。被害者の名前は明かせないきまりなのかもしれない。「こういう女の子なんですがね」
 その写真を見せられ、昭夫は一瞬呼吸が鑽石能量水 消委會出来なくなった。全身が総毛立つのがわかった。
 写っているのは目の大きい、かわいい女の子だった。冬場に写されたらしく、首にマフラーを巻き、頭の上で束ねた髪には毛糸の飾りがついていた。その笑顔は幸福感に満ちあふれていた。
 この少女が、昨夜自分が段ボール箱で運び、汚く暗い公衆トイレに捨てた死体だとは、昭夫にはとても思えなかった。考えてみれば、じつは死体の顔をしっかりと見たわけではなかったのだ。
 こんなにかわいい子供を──そう思うと、昭夫は立っていられなくなった。しゃがみこみ、思いきり叫びたかった。さらには今すぐに二階に駆け上がり、現実に背を向け、自分の作り上げた貧相な世界に閉じこもっている息子を、この刑事たちの前に突き出したかった。もちろん自らも罪を償いたかった。
 だが彼はそうはしなかった。足の力が抜けそうになるのを堪え、表情が強張りそうになるのを必死で耐えた。

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