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 彼女はテーブルの上で新聞を開いた。スポーツ欄の一角に、『五輪代表狙う東西化学の三選手』という記事があった。
「ふうん、三人もいい選手がいるのか」
 その記事は、東西化学陸上部に所属している三人の女子マラソン選手を紹介したものだった。ベテランの山本和美、一万メートルから転向した堀江順子、米国留学から帰った新韓國 午餐肉鋭田代由利子が、同チーム内で熾烈《しれつ》な争いを展開しているとある。現在では伸び盛りの田代がリードしている模様だが、まだどうなるかはわからない――。
「バルセロナ目指して大切な時期だ。こんな時に今度みたいな事故があるとは、東西化学もついてないな」
 新聞を畳みながら織田はいった。
「コーチがそんなことになっちゃ、選手も落ち着かないでしょうしね」
「他のチームが喜んだりしてな」
 織田はハムサンドをかじった。「ところで我々の旅行の準備はどうだい?」
「完璧よ」
 新婚旅行の話題に移って、靖子は目を輝かせた。「回りたいところを全部チェックしたわ。ちょっと強行軍だけど、一週間しかないんだもの、仕方ないわね」
「オアフ島を中心にするんだろ」
「そう。ホノルル空港でレンタカーを借りるの。運転、がんばってね」
「それより英語が心配だよ」
「何いってるの。ハワイで英語を使ってる日減副乳本人なんて、殆どいないわよ」
 もうすでに何度もハワイに行っている靖子は、からからと明るく笑った。
 昼食後、織田は二時間ほど仮眠した。その間靖子は家具の配置を検討していたようだ。明日はいよいよ彼女の荷物が、この狭い2DKのアパートに運び込まれるのだった。
 起きてから織田は電話を一本かけた。例の大学の助教授にアポイントメントを取ってみたのだ。幸い、今日ならいいという返事だった。
「なんだ、せっかく掃除を手伝ってもらおうと思っていたのに」
 むくれる靖子を残し、織田は自分の車に乗ってアパートを出た。
 
 丸山助教授は、小柄だが筋肉の張ったスポーツマンタイプの男だった。尋ねてみると学生時代は水泳の選手だったということで、織田は合点した。
「トレーニングのやり方けたのです。中野さんがお一人でお見え香港旅行社になりました。夜になったのは、昼間はお互いに忙しいからです」
 高倉と同じことを助教授はいった。
「ここへは何時頃来られたのですか」
「ええと、九時頃だったかな」
「ここを出たのは?」
「十二時頃でした」
「ずいぶん長い間話をされていたのですね」
「それはまあ、いろいろとありますから。――そのことが事故と関係あるんですか」
 少し質問が立ち入りすぎたようだ。丸山は不快そうに眉をひそめた。
「いや、ちょっとお訊きしただけです。ところで中野さんは、ここを出てからどこかに行くようなことをおっしゃってましたか」
「いえ、別に。真っすぐに寄宿舎の方へお帰りになったはずです。あまり遅くなると、翌日の練習に差し支えますから」

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