笑顔で「分

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 その代わり生まれたのは、疑問だった。歩は自分のことを嫌いなはずなのに、どうして笑顔で話しかけてくることが出来るんだろうか。また、嫌いだと言って見放すときが来るのだろうか。そう考えてしまうと、急に体温が落ちて行くのを感じる。手のひらは、またたく間に冷たくなる。
「じゃ、俺、出かけてくるから。そうだなー、7時か8時には帰ってこ嬰兒濕疹れると思う。遅くなるようだったら、連絡するから」
「……別にしなくていい」
 呟くように言うと、歩は笑って「するから」と言ってリビングから出て行った。いきなり優しくされても、何か裏があるのではないかと疑ってしまって、歩のことを信じきれなかった。変わったのは、停電が起きた昨日から。歩も変わっているけれど、健人自身も変わりつつあった。前ならば、要らないと言われれば絶対に作らなかっただろう。どれほど頼まれても要らないと言ったんだからと言って、一刀両断していたはずだ。それなのに、リクエスト通りご飯を作っているのが信じられなかった。
「……俺、どうなってるんだよ」
 感情をこめて吐きだしても、答えなど見つからなかった。それに、見つける気も嬰兒濕疹あまり無かった。本当のことを知るのが、少し怖かった。
 7時か8時ぐらいになったら帰ってくると言っていた歩だったが、そろそろ9時になろうとしているのに家には帰ってこなかった。学校へ行っている時から、結構遅くなることもたびたびあり、母が一度怒っているのを目にしたことがあった。連絡の1本ぐらい入れてねと言った母に対して、歩はかった」と言ったが、遅くなるとき連絡を入れることは無かった。所詮、口だけなのだと言い聞かせて、健人はテレビの電源を入れた。
 フライパンの中には、麻婆豆腐が入っているし、冷蔵庫の中には春雨サラダが置いてある。中華スープも作ってあって、あとは歩が帰ってくるだけの状態になっている。一人で食べようかと思ったが、片づけをするのは健人なので、帰ってくるまで待つことを決めた。それから、すでに2時間は経っている。帰ってこないなと、玄関へ続く扉を見つめては、何故、帰りを待っているんだと自分を諌め、わざとらしくテレビに目線を向けた。
 昼食以降、何も口にしていないせいか、先ほどからぐるぐると腹が鳴っている。さっさと食べてしまった方が良いのではと思うが、体を動かすのも面倒になりソファーに凭れかかっていた。昨日はあまり眠れず、早く目が嬰兒濕疹覚めてしまったせいか、こんな早い時間から眠気が襲ってきていた。テレビは大して面白いのもやっていない。うとうとと瞼が重たくなってきて、頭を振って目を覚まそうとするが、眠気の方が勝っているせいかドンドンと視界が狭くなっていく。
 気付いた時には、眠ってしまっていた。