私を守るため

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まだ、ぴんと来なかった。今まで敵だと思っていた人が父なんて。でも、父とわかったらやっぱり会ってみたい。
 宇宙船は急速に近づいてきた。
「あの宇宙船はあなたを迎えにきたのよ」
「私を迎えに?」
 ほとんど信じられなかった。

 宇宙船が頭上すぐ上に来て止まった、近くに来ると韓國 食譜その巨大さに圧倒される。頭の上に屋根ができたみたいで下は暗くなってしまった。
 宇宙船の下に通路が開いて、そこから、ぱらぱらと兵士が飛び出してきた。その中を一人の男が足早にこちらにやってきた。
「ルニー・テルトンさん?」
「はい」
 母がうなづく。
「では、この子が」
「そうです」
「では、急いで、ルビル軍の攻撃がいつ始まるかわかりません」
 その男に急かされて二人は足早に宇宙船の中に駆け込んだ。今の今までドラール軍收副乳の宇宙船に逃げ込むことがあるなんて考えたこともなかった。
 中に入るとすぐに床が揺れるのを感じた。離陸したみたいだ。
「あの、全部、家に置いたまま……」
 家から、何一つ持ってきていない。
「姫君、ご安心ください。あの家の品物はあとで全部運んでおきます」
 一瞬、誰に言ったのか分からなかった。姫君がこの近くにいてその人に言ったと思った。
 『姫君』が自分のことだとわかると、ちょっとこそばい気分だ。ドラール皇帝の娘なら姫君になるのか。
「ルビル軍の攻撃を受けると危険なので、緊急に離脱中です。もちろん姫君が御乗艦なので千機の戦闘機が本艦を護衛しています」
 『御乗艦』とか『護衛』とか言われると不思議な気分になってしまう。に千機の戦闘機が護衛している。どこか偉くなったような気がする。
「申し遅れましたが、私は艦長のミルと申します」
 ミル艦長はキチッと姿勢を正すと敬礼した。
「では、お部屋にご案内します」
 ミル艦長について艦内の通路を歩いた。途中何度も角を曲がって進む。一人で歩いたら絶対に迷子になりそうだ。やがて、広い部屋に案内された。
「ここが姫君のお部屋です。少し狭いですが何せ本艦は軍艦ですのでご辛抱をお願いします」
 これで狭い? 今まで住んでいたタラントさんの家の詩琳居間の何倍も広い。
 部屋の中に駆け込んだ。すばらしい部屋だ。大きな窓からはルビル星が見える。ルビル星はどんどん小さくなっていた。
「ここは、軍艦に賓客をお乗せした時に使う特別の部屋です」



について相談を受

カテゴリー │Dream beauty pro

 彼女はテーブルの上で新聞を開いた。スポーツ欄の一角に、『五輪代表狙う東西化学の三選手』という記事があった。
「ふうん、三人もいい選手がいるのか」
 その記事は、東西化学陸上部に所属している三人の女子マラソン選手を紹介したものだった。ベテランの山本和美、一万メートルから転向した堀江順子、米国留学から帰った新韓國 午餐肉鋭田代由利子が、同チーム内で熾烈《しれつ》な争いを展開しているとある。現在では伸び盛りの田代がリードしている模様だが、まだどうなるかはわからない――。
「バルセロナ目指して大切な時期だ。こんな時に今度みたいな事故があるとは、東西化学もついてないな」
 新聞を畳みながら織田はいった。
「コーチがそんなことになっちゃ、選手も落ち着かないでしょうしね」
「他のチームが喜んだりしてな」
 織田はハムサンドをかじった。「ところで我々の旅行の準備はどうだい?」
「完璧よ」
 新婚旅行の話題に移って、靖子は目を輝かせた。「回りたいところを全部チェックしたわ。ちょっと強行軍だけど、一週間しかないんだもの、仕方ないわね」
「オアフ島を中心にするんだろ」
「そう。ホノルル空港でレンタカーを借りるの。運転、がんばってね」
「それより英語が心配だよ」
「何いってるの。ハワイで英語を使ってる日減副乳本人なんて、殆どいないわよ」
 もうすでに何度もハワイに行っている靖子は、からからと明るく笑った。
 昼食後、織田は二時間ほど仮眠した。その間靖子は家具の配置を検討していたようだ。明日はいよいよ彼女の荷物が、この狭い2DKのアパートに運び込まれるのだった。
 起きてから織田は電話を一本かけた。例の大学の助教授にアポイントメントを取ってみたのだ。幸い、今日ならいいという返事だった。
「なんだ、せっかく掃除を手伝ってもらおうと思っていたのに」
 むくれる靖子を残し、織田は自分の車に乗ってアパートを出た。
 
 丸山助教授は、小柄だが筋肉の張ったスポーツマンタイプの男だった。尋ねてみると学生時代は水泳の選手だったということで、織田は合点した。
「トレーニングのやり方けたのです。中野さんがお一人でお見え香港旅行社になりました。夜になったのは、昼間はお互いに忙しいからです」
 高倉と同じことを助教授はいった。
「ここへは何時頃来られたのですか」
「ええと、九時頃だったかな」
「ここを出たのは?」
「十二時頃でした」
「ずいぶん長い間話をされていたのですね」
「それはまあ、いろいろとありますから。――そのことが事故と関係あるんですか」
 少し質問が立ち入りすぎたようだ。丸山は不快そうに眉をひそめた。
「いや、ちょっとお訊きしただけです。ところで中野さんは、ここを出てからどこかに行くようなことをおっしゃってましたか」
「いえ、別に。真っすぐに寄宿舎の方へお帰りになったはずです。あまり遅くなると、翌日の練習に差し支えますから」



彼がまばたきす

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 フィリエルは冷ややかに言った。
「思いっきり忘れられているようですけど、あたしの十五歳の誕生日は、半年も前に終わっていますの。塔にあたしの出生占星図《しゅっせいせんせいず》があ通渠佬るでしょう。それには、だれにでも読める大きな文字で、コンスタンス三十六年の十月十二日と書いてあります」
「ええと……」
 さすがにルーンも弱った様子だった。ると、睫毛《まつげ 》がメガネをこすっているかのように見えた。彼の瞳は嵐の灰色で、ばかに長い|漆黒《しっこく》の睫毛に囲まれているのだ。女神もむだな分配をなさるものだと、フィリエルはこの睫毛を見るたびに思う。
 ルーンは苦し紛《まぎ》れの口調で言い出した。
「半年遅れでもなんでも、思い出したほうがずっとましじゃないか。博士がせっかくあげると言っているのだから、もらっておいたほうがいいよ。もらっておくれよ。まさか、突き返したりはしないだろう?」
 フィリエルは少しばかり意地悪くほほえんだ。彼が本気でうろたえたのを見て、けっこう溜飲《りゅういん》が下がったのだ。博士の弟子は、たいていの場合|横柄《おうへい》で無愛想で頭にくるのだが、百回に一回くらいかわいく見えるときがある。
「まさか。女王様にあやかったのだとしても、もらっておくわ。こんなにめずらしいことってないもの。あの博士があたしに贈り物だなんて、いったい何が入っているのかしら」
 はしゃいで小箱のふたを開けたフィリエルは、中のものに息を通渠佬のんだ。そこに収まっていたのは、思いもよらない宝石細工だった。楕円形《だ えんけい》の澄んだ青い石を中央に、ダイヤのように鋭くきらめく小石をちりばめた、豪華《ごうか 》なペンダント。セラフィールドにまるで似つかわしくない輝きが、岩山の朝日に燦然《さんぜん》と光を放ったのだった。

 青い石は湖よりも深い色をしており、フィリエルの親指の爪《つめ》ほどあった。その周囲に、輝く小粒のカット石が十数個、左右対称の模様を形作っている。フィリエルはそっともちあげたが、金の鎖《くさり》はしなやかに重く、かなりの値打ちものだった。
「どうして博士が、こんなものをもっているの?」
 フィリエルはあからさまにたずねた。美しい贈り物がうれしくないわけではなかったが、意外すぎた。それに、ルーン相手にお礼を言っても益《えき》がないというものだ。
「うちにはお金なんてないのに、どこでこんなも通渠佬のを手に入れたの? 見事な細工物だわ、とっても高かったに決まっている。これが研究に必要なものなら、博士が出費にいとめをつけないのもわかるけど、首飾りだなんて、いったいどういうことなの?」
 ルーンは気を悪くしたようだった。ぶっきらぼうに答えた。